Universal Design
独自の評価法PPPによる製品の開発 一つの生み出されたデザインに対して,使い手は実に,個性的で多様な人々だと想定出来ます。対して、多くのデザインには必ずと言って良い程、使い易さの限界が存在します。来るべき高齢社会は使い手の多様化を加速させ、くらしの中の製品の使いにくさを増長させるものと考えられます。 tripod design は1987年以来、世界に先駆けてユニバーサルデザインの考え方を,自社のデザイン開発プロセスの中に取り込む発想に注目し,それまで主流であった標準化された製品開発の在り方を使い手主眼の洞察や検証に基づいた方法論に転換する試みを実践的に進めて参りました。 そうした研究開発の中で1996年に独自のユニバーサルデザイン評価法PPP(Product Performance Program)を市場に発表し、以来、国際的に多くの企業の製品開発やユニバーサルデザインのガイドラインづくりを支援させて頂いています。
How we did it
working together to achieve great results
多様な使い勝手を理解する
デザインの使い手となる人々は、あまりに多様で個性的です。その事実によって、私たちはモノを作り出す以前に、そうした1人1人の使い手を巡る心や身体、暮らしぶりを十分聴き取り、観察し、理解しようということを敬遠したり放棄したりしがちです。作り手が勝手に使い手を若くして健康であると誤認してしまう場合もあるでしょう。tripod designでは、社会の高齢化をも意識した独自のユーザーグループを構成して、様々な使い手の意識や身体性にまで及ぶ観察(オブザベーション)や仕様の実態調査(フィールドリサーチ)、あるいは直接のインタビュー(ディープインタビュー)を行うといった使い手のさらなる理解に向けた調査、研究手法を開発しています。
環境や製品デザインのユーザビリティ評価システムの確立
環境や製品を巡るデザインの使いやすさを評価するには、様々な使い手に対する想定や配慮が必要となります。様々な心や身体状況に置かれた使い手の使う場面を想定し、様々な使い手がどのようにして使う対象となる環境や製品を使っていくのかという使い方やそのシークエンスに対する考察も大切になってきます。こうした使い手を巡る環境や暮らしのシーンを想定し、使い方や使いこなしていく過程や状況を考慮した、自らのデザインの評価システムが必要であると考えます。tripoddesign は、ユニバーサルデザインの考え方を導入した自らのデザインに対する評価方法を構築し、デザインの評価にあたっています。
使い手と共にデザインをする
私たちは1994年に初めて自らのデザインのための、使い手による22人の小さな調査グループを設定して、最初の自社製品プロダクトであるHandyBirdyのデザイン開発のための事前調査や観察型評価を開始しました。この経験が契機となって、年々デザインのモニタリング(試用評価)に参加して頂ける人の輪が広がっています。現在では一般の使い手を対象にしたインターネットでの意識調査のための調査グループや、実際に製品を生活(試用フィールド)の中で使ってもらうためのグループ、デザインの評価を深掘りするためのグループインタビューに関わるグループなど、その目的と製品開発の段階に見合った調査、評価が可能なグループにまで成長しております。こうした独自の使い手のグループを構築した成果として、デザインや製品の開発のいかなる段階でもデザインの評価や検証が可能になりました。